ジェイゾロフト(塩酸セルトラリン)の官能的評価(3)

(不安・不眠が減弱)<不安で夜も眠れない程だったが眠れるようになったのは、この薬のおかげかしら・・>
(4926 kuuipoさん)

(不安と怖さ減弱)<私は、4錠(100mg)よりも3錠(75mg)の方が、体が軽く感じられました。
薬そのものは小さいし、味もないし、飲みやすいです。
(沢山飲んでも)今の所、昔のような不安や怖さというものが、だいぶおさまっているので、大変満足してます>
(4936 ちびさん)

(不安解消)<併用していたルボックスとは異なり、不安な感情を入り口でとりはらってくれている感覚です。
不安になった後、その気持ちが続くのを解消してくれたルボックスを導入編の処方とすると、さらに一歩ふみこんで処方してくださった薬と感じます。
今の回復傾向に向かわせてくれたのは、この薬がきっかけになってくれたと思っています。
今は少々効きすぎているのか、眠気がつづいてますが・・・>
(4482 スポーツマンさん)

ジェイゾロフトは抗不安薬にカテゴライズされないけれども、上記のように抗不安作用を持つという指摘が散見されます。
ただ単に”不安”といってもおおざっぱすぎて、それを治療のターゲットとするには不完全な印象が拭えません。
”不安”や”いらいら”といった曖昧模糊とした表現を指して、精神科医の神田橋條治先生は「雑な表現」といわれ、治療者が漫然とこのような表現を多用することを戒めておられます。
もう少し、”不安”という精神病理を”腑分け”する必要がある。
私は、輪郭が定まらず着地点の見いだせない不安については、ジェイゾロフトを用いません。
不安が漠然としたものであればあるほど、妄想気分(統合失調症の初期症状。あらゆるものが新しい意味を帯び,無気味な,何かが起こりそうな気分状態)に近づいていくため、
リスパダール・ジプレキサなどのメジャートランキライザーを使うほうがいいという印象があります。
ここで云われている不安は、そのようなものではなく、将来(それも近い将来)についての具体的不安(「明日、●●があったらどうしよう」「今度の試験、うまくいくかな」といったようなもの)を指しているものと思われます。

スポーツマンさんは、ルボックスとの比較において、おもしろい指摘をされています。
ルボックスは不安そのものを断ち切るのに機能したのに対し、ジェイゾロフトは不安の兆候をかき消す役目を果たしたというのです。
もしそうだとするなら、ルボックスは強迫性の改善に寄与し、ジェイゾロフトは先にお話したメジャートランキライザー的な機能を有するということになります。
双方は同じSSRIとして並べて論じられることが多くありますが、その差異が際立たされることはそう多くありません。
このような対比こそが、官能的評価の妙味であります。

(つづく)

熊木徹夫
(あいち熊木クリニック
<愛知県日進市(名古屋市名東区隣)。心療内科・精神科・漢方外来>
:TEL: 0561-75-5707: www.dr-kumaki.net/ )

本文は、
『精神科のくすりを語ろう・その2 ~患者による官能的評価の新たな展開~』熊木徹夫(日本評論社) )
から抜粋した記事です。

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