2013.道路交通法改正・自動車運転死傷行為処罰法成立に伴って、 ドライバー・家族に是非理解しておいていただきたいこと (重要!)

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平成 25 年(2013年)の道路交通法および同施行令の改正、および自動車運転死傷行為処罰法の成立において、

ある種の精神疾患を持つ患者さんおよび向精神薬(精神科薬物)服用中患者さんに対する処遇が大きく変えられました。

私(熊木)個人としては、一定の精神疾患を有すること、また精神科薬物を服用するというだけで、自動車運転を著しく制限し、過失による事故に通常人よりも重い罪を課すという差別的対応について、絶対的に反対の立場ですが(これは日本精神神経学会も同様の声明を発しています)、実際に本法が成立し施行されている以上、適切な対応策を採らねばなりません。

 

ただし、 自動車運転死傷行為処罰法においては、

「①病気のために正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、

②そのことを自分でも分かっていながら自動車を運転し、

③病気の症状のために正常な運転が困難になり人を死傷させた場合」

という3つの要件が全て満たされたときにのみ、重い罪に問われることになるということから、不必要に警戒し怯える必要はありません。

 

とはいえ、以下の基本については、あらかじめご承知の上、しっかり守っていただく必要があります。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

1)精神科医が運転の厳禁を申し渡すときには、それを遵守する必要があります。

(※<道路交通法施行令第 33 条の 2 の 3 で定められている一定の症状を呈する病気>

統合失調症、てんかん、再発性の失神(神経起因性失神、不整脈性失神など)、無自覚性低血糖症(薬剤性低血糖症など)、そううつ病、睡眠障害、脳卒中、認知症、アルコールの中毒者。

ただし、これらの精神疾患では、すべての状況において、運転が禁止されるというわけではありません。運転能力が疑われる状態、またはそのことについても患者さんご自身が無自覚である場合などが、運転厳禁の状態に該当します)

 

2)”運転の妨げになるのなら”と、本来必要とされる精神科受診・精神科薬物服用を中断・回避することは、本末転倒であり、非常に危険なことであるので、そのような対応は決してしないようにしていただくことが極めて重要です。この点については、御家族・保護者もサポートお願いします。

 

3)(精神科薬物(抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬、抗てんかん薬等)のほとんどについて、その添付文書に注意事項として「本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること」「自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には十分注意させること」などと記されています。

ただ現実的な問題として、上記薬物の投与により救済され、安楽な生活を維持している患者さんが多く存在し、そのような患者さんから生活・人生に不可欠な薬を取り上げることは人道に反することです。そもそも精神科患者さん・精神科薬物の服用者を皆、運転厳禁とすることは、副作用の出方は服用者に応じてかなり違うことからも、実態にそぐわない不当な過剰防衛と言わざるを得ません)

ただ、運転にまつわる危険回避のため、日本精神神経学会も奨励する次のことを意識し実践するのは、もっとも基本的な対応となりますから、患者さん・御家族ともども十分にご配慮いただきますよう願います。

(※これらは特に、処方開始時・変薬時において、行うべきことです)

①運転時間を短くする               ②運転頻度を減らす

③混雑時間帯を避ける               ④夜間は運転しない

⑤悪天候では運転しない                                ⑥高速道路は運転しない

⑦慣れ親しんだ自宅近辺のみを運転する       ⑧家族が同乗するときのみ運転する

そして、これらに加えて、私が最も重要だと思うことを付け加えておきます。

⑨(もし運転中眠気を感じたら、どんなに急ぎの用事があっても)路肩に止めて、眠気が晴れるまで、眠る

 

熊木徹夫
(あいち熊木クリニック院長・ビジネスマン専門カウンセリングルーム「戦士の休息」代表・精神科医)
<名古屋駅から徒歩3分。TEL:052-446-5085
www.dr-kumaki.net/

2014.10.10.

~~~~~

※本文は、あいち熊木クリニックで精神科薬物服用中の患者さんに宛てて書かれたものです。それ以外の場所でも、この道路交通法・自動車運転死傷行為処罰法に対する対応で困惑・苦慮しておられるドクター・患者さんの声が多数聞かれたため、一つの指示例として、公開しました。あくまで熊木の私見だとご理解ください。

本文の正確性、合法性および道徳性については、補償いたしません。よって、本文を利用し発生した、被害および民事、刑事問題については、当方は一切の責任を免れます。この情報に関わる最終判断は、読者の皆様ご自身の責任でお願いします。

また、当院以外であなたに精神科主治医がいる場合、当然のことながらそのドクターの指示が優先されます。その際、本文は参考にとどめておいてください。

 

<※参考>

2015.12.「労働安全衛生法」法令改正 ~私たち、あいち熊木クリニック「ビジネスマン(ストレスチェック)外来」にできること~

新型うつ病に伴う、独特の苦しさ・・(会社経営者・管理者の方への提言)

精神科主治医は何を守り、会社産業医は何を守るのか

生命保険・医療保険は、”自身の未来の不幸に対する賭け”

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