「夏バテ・秋バテ防止のための、生活改善ご提案あれこれ」

2016.夏、アメリカのNASAが「史上最強の猛暑が、世界中を襲う」と通告しました。

ほんの20-30年前には、「夜中にクーラーを使うなど贅沢。夜風を入れればそれでいい」というお年寄りも多くおられました。

しかし、今そのようなことをすると、睡眠中に熱中症になる危険さえあるという異常気象です。

私は名古屋に住んでいますが、部屋を閉め切ってクーラーもかけずに眠ると、朝36度になっていて驚いたことがあります。

この猛暑をどうサバイバルするか、真剣に考えなくてはなりません。

 

もし、ご自宅の寝室にクーラーを取り付けておられるなら、効果的な対応策があります。

それは一晩通して、クーラーを30度・微風に設定して眠ることです。

クーラー使用法でよくあるのは、初めの1~2時間だけしっかり冷やして、

その冷気の持続している間に寝付いてしまうというものです。

しかし、このやり方では、途中急激に室温が上がるため、寝苦しくて起きることになります。

一晩中室温を安定させることで、朝まで暑さをうまくしのぐことが出来ます。

また”30度・微風”などで、しっかり寝付けるのかという声もあるかもしれません。

しかし、クーラーで湿度を取れば、これで十分大丈夫です。

むしろ、寝入ったときに冷やしすぎると風邪をひいたりしかねませんので、このくらいがいいのです。

一晩中とはいえ、”30度・微風”であれば、省エネであるともいえます。

(現在よくあるヒートポンプ式のクーラーなら、一晩中温度設定を変えない方がむしろ省エネです)

 

ただ注意点が三つあります。

1)クーラーの設定を”除湿”にしないこと。

:これは意外なのですが、冷えすぎますし、電気代も多くかかります。

2)直接冷気を浴び続けないこと。

:できればサーキュレーターや扇風機との兼用をお勧めします。

扇風機の首振りをうまく使うと、丁度いい具合になります。

また、エコにもなります。

3)おなかだけは冷やさないように、タオルケットなど乗せておくこと。

:寝相が悪くてそれがうまくいかないのなら、腹巻をしておくとよいでしょう。

 

以上、熱帯夜の就寝対策について、ご提言しました。

ただ、これだけで真夏の猛暑をしのぐのに十分な訳ではありません。

俗に言う「夏バテ(あるいは、秋バテ)とそれによって引き起こされる夏風邪(秋風邪)」をどのように回避するか、対策をお伝えします。

これらは、夏場の体力消耗による免疫力低下が原因です。

通常なら決して感染しないような感染力の弱い菌にやられてしまい、ぐずぐず治らないという状況が続きます。

 

大事なことは、以下の2つです。

1)なるべく寒暖差のない暮らしをすること。

:具体的には、暑すぎる場所で長居はしないこと。

また、冷房の効きすぎた部屋にいかないこと。

それがかなわないなら、低温の部屋での防寒対策(特に下半身)をしっかりすること。

外気温が高すぎると、発汗が激しくなる人が増え、そのせいでかえってクーラーを効かせすぎてしまう傾向があります。

このような状況では、気化熱がひどくて、クーラー風邪をひいてしまう人がいますが、これも夏風邪の1つのバージョンです。

2)水分は、不足だけでなく、過剰もバツ。

:メデイアにおいて、水分を日頃から過剰に採る(例えば、1日4L!)ことを称揚する向きがありますが、これには基本的に賛成できません。

というのも、人にはそれぞれ適切な摂水量があるからで、大概の日本人は、1日1-2Lが相応しい水分量ということになります。(なお、これはペットボトルで2Lまでということではありません。ごはんや味噌汁など食餌に含まれる水分量も含んでの総量です!)

また、「水分を採らないと熱中症になるから、こまめに摂水を」などともいいますが、通常の身体の要請に従えば、喉は当然のことながら渇きますから、余程身体のいうことを無視しない限り、このようなことにはならないはずです。

炎天下での運動は基本的に避けるべきです。

どうしても避けられない場合は、適切な摂水が必要ですが、そのような場合でさえ、過剰摂水になる傾向があります。

水分を大量に溜め込んだ人の舌を観察する(漢方の舌診ですね)と、大きく白くむくんで、デコボコの歯形がついていることが多い。

このような場合、東洋医学的には「水毒」といって、摂水制御・適切な排水の促しを目論むこととなります。

ちなみに水毒がひどいと、当然身体が冷え、免疫力が下がることが分かっています。

 

このような不摂生がたたり、夏場に体調を崩せば夏風邪になり、秋にまでそれが持ち越すと秋風邪になりますが、まあどちらも同じです。

毎年欠かさずこのような状況を繰り返しているというなら、ぜひ本稿に書かれていることを生活に取り入れてみられることをお勧めします。

今年こそ「元気な秋」を目指して、この厳しい夏を乗り切って下さい。

 

熊木徹夫

(あいち熊木クリニック<心療内科・漢方外来>

/〒470-0136  愛知県日進市竹ノ山2-1321/

TEL:0561-75-5707/  https://www.dr-kumaki.net/ )