妊婦さんや授乳期のお母さんの、理想的な精神科薬物との関わり方

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妊婦さんや授乳期のお母さんは、基本的に精神科薬物の服用を慎むべきです。

それは、精神科薬物が基本的に脂溶性薬物で(脂溶性薬物なので、脳や神経といった”油の固まり”に溶け込みやすい)、妊婦さんの血液から胎児に伝播されること以外に、お母さんのお乳(これも実は”油の固まり”です)経由でも乳児の身体に取り込まれる危険があるためです。

妊娠初期といえど、なかなか侮れません。

というのも、受精し最初の1ヶ月で、胎児の重要な臓器がほぼ出来上がるためです。

精神科薬物のいくつかは、胎児に悪影響を及ぼすことが確認されています。

(多くの精神科薬物について、胎児への危険性が確認されてはいないのですが、それだから安心していいということにはなりません。

というのも、妊婦さんに対して胎児を危険に晒すかもしれない”人体実験”など行うことはできず、まとまったデータが出てきていないだけ、というケースも多いためです。

ではデパケンなど一部薬物のみ、なぜその胎児への危険性が確認されているのかといえば、それは抗てんかん薬であるためです。

てんかんについては、発作が起こっているにも関わらず放置しておくなら、重積化していく危険があるため、例え妊婦さんといえど恒常的に服薬することが余儀なくされます。

てんかんを食い止めるというベネフィットが、胎児への悪影響というリスクを大きく上回ると考えられているから、妊婦さんへも処方されることとなり、期せずしてデータが残される結果となったというわけです)

そのため、精神科薬物を服薬中の女性が「赤ちゃんができました。妊娠一ヶ月です」と報告するとき、思わず顔をしかめてしまうのです。

精神科薬物を服薬中の女性については、できる限り”計画出産”が望ましい。

そのため妊娠可能性がある女性に対し、私は「夫婦生活は構わないが、必ず避妊をしてください」と繰り返しているのです。

そして実際に、服薬中の女性が「妊娠したい」と希望してくる場合、精神科薬物の完全オフを目指し、長い時間をかけて、漸減していきます。

ここにあるリボトリールなどのように、一部の人で禁断症状を発現する可能性のある薬物などについては、とりわけ慎重に取り払っていきます。

しかし、極めて微量のレベルでリボトリールを無くしていって、うまく取り去れなかったことは、これまでのところ個人的に経験がありません。

またここで語られている禁断症状の問題とは別に、「リボトリールについては抜去しようとする際、要注意である。うまくやらねば痙攣を誘発することが稀ではない」とは、てんかん専門医兼本浩祐先生が発せられている警告です。

リボトリールは、感情調整薬・抗不安薬・抗てんかん薬としてとても使いやすい薬物ですが、以上の問題について重々理解した上で処方するのでなくてはなりません。

 

(※リボトリール・ランドセンの官能的評価記事より、抜粋)

 

熊木徹夫

(あいち熊木クリニック

<愛知県日進市(名古屋市名東区隣)。心療内科・精神科・漢方外来>

:TEL: 0561-75-5707: https://www.dr-kumaki.net/ )

<※参考>

精神科薬物治療を成功に導くために、精神科医・患者双方が知っておくと良いだろうこと


ジェネリック薬に対する当院の考え方(2012.4.)

先発医薬品は「マイカー」、ジェネリック薬は「全く癖のわからぬ他人の車」

服薬して楽に過ごしていくことは<甘え>だ

身体は「神様から借りた器」

中井久夫随想~論文「薬物使用の原則と体験としての服薬」をめぐって~

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